シャクナゲ・ツツジの栽培 Q&A
●「シャクナゲ・ツツジの栽培 Q&A」について
この「シャクナゲ・ツツジの栽培 Q&A」は、シャクナゲやツツジの栽培などで分からないことや疑問点などをご質問いただき、それについてこのホームページを見ている方々に答えていただくかアドバイスをいただくというコーナーです。
たしかにシャクナゲやツツジの栽培は、地域によってもそれぞれの経験度によっても違ってきますが、自分の経験から修得した技術を、多くの方々に教えていただければと思います。そして、それらの技術が広まることによって、少しでもシャクナゲやツツジを枯らすことがなくなれば素晴らしいことです。
そんなことを願ってこのコーナーを開設しましたので、多くの方々のご協力をお願いいたします。
◎こんなにも脇芽が出ます (愛知県 小島英司氏)
☆つい先日、愛知県の小島英司氏から何度かお電話をいただき、古い幹や弱ったような枝からも力強い脇芽や新芽が出ている、ということでした。
そこで、くわしく伺いましたが、なるほどと思うような説得力のある栽培法でした。そこで、写真がありますか、とお聞きしたら、メールで送られてきました。それがこの下に掲載したものです。
たしかに、ほとんどの幹から、力強い脇芽や新芽が出ています。
では、なぜそのようになったかということは、当然ながらある時期にご本人からお話しがあるかと思います。それまで、お待ちください。
でも、あの名古屋市内の環境で、アズマシャクナゲやエリモシャクナゲ、さらにはキバナシャクナゲまでしっかり花を咲かせているのは、いくら写真を見てもやはりビックリです。そして、シャクナゲは弱いという定説を覆すような技術を持っているからなのではないかと思いました。二重底栽培法といい、この方法といい、いつも何かに挑戦するような姿勢は、ぜひ見習いたいと思っています。
ホンシャクナゲ | ホソバシャクナゲ | アズマシャクナゲ |
オキシャクナゲ | エリモシャクナゲ |
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◎二重底栽培法(ネット植え)・その後について (愛知県 小島英司氏)
☆第15回中部地区ツツジ・シャクナゲ研修会静岡大会が、平成22年10月23(土)〜24(日曜日)日の日程で静岡県伊豆の国市古奈の「おおとり荘」で開催されましたが、そのときに愛知県の小島英司氏が「二重底栽培法(ネット植え)・その後」と題し、講演をおこないました。
そこで、参加できなかったツツジ・シャクナゲ愛好者の方々のために、ご本人の了解をいただき、静岡県の花田宏重氏から送っていただきましたので、ここに掲載させていただきます。
PDFファイルですので、ソフトのない方はAdobe Readerをダウンロードしてから、この下の赤い文字のところをクリックして、見てくださるようお願いいたします。
・・・『二重底栽培法(ネット植え)・その後』 (小島英司氏講演)・・・
◎シャクナゲの栽培法について (愛知県 小島英司氏)
☆下の3点の画像は、今年春のエリモシャクナゲの開花と着蕾した青軸キバナ(宗谷支庁ー函岳産)です。共に樹齢は100年を越す老木と推定されます。
私の住んでいる名古屋市内の住宅街においては、夏の気温がほぼ九州各地と同じですが、それでもすでに8年を経過しています。そして、この2鉢とも愛知県知事賞と小沢大賞に選ばれたものです。
ここの環境は、いつ枯れてもおかしくないと思うのですが、今のところほぼ健全な経過を辿っています。
5年前に入手した福島県、岩手県産のアズマジャクナゲ(自根で推定樹齢70年)も鉢植えで元気に育っております。
これらの木の手入れは、用土、肥料、植え替え、真夏時の管理、2重底の植木鉢等に少し特徴がございます。従来からなる栽培法の誤解と矛盾の為、何度も枯死寸前になりまして、幾度と無く修正を余儀なくされてようやく今日に至りました。
この栽培の特徴につきましては、いづれ近いうちにこのホームページに詳細をご報告できるものと思っております。
◎『キバナシャクナゲの二重底鉢栽培法』(小島英司氏講演)について
☆7月2〜3日と、山形県担当で第33回東北研修会が開かれましたが、愛知の小島英司氏の「キバナシャクナゲの二重底鉢栽培法」のご講演はたいへんな反響をいただきました。
そこで、小島氏のご了解をいただきましたので、ここにそのご講演のときの写真を掲載し、若干の説明を入れました。小島氏にも、この「Rhododendrons Homepage」を見て、訂正する部分があるかどうか確認をしてもらうことになっています。もし、皆様方も疑問点などがありましたら、私宛にメールをいただければ、小島氏に問い合わせ、ここに掲載させていただきますので、よろしくお願いいたします。
小島氏の栽培法を聞いてまず感じたことは、人まねをせずに、科学的手法をもって試行錯誤した結果から導き出された栽培法だということです。今までの栽培は、とくに暑い地方では、その暑さでシャクナゲが弱ると考えられていたものを、小島さんは暑さでエネルギー消耗が激しくなり、炭酸ガスが増えるからだといいます。だから、その炭酸ガスを効率的に抜き、酸素を根に吸収しやすくする工夫が大切だとしています。
そうするためには、鉢底にビニールパイプを高さ1.5pのものを6個程度置き、そこにネットをすのこ状に置きます。そして、もう一つの工夫は、断熱材を使うことです。そのことによって、相当難物といわれている小型原種シャクナゲも栽培できるようになるそうです。
先ず、粗めの用土をそのネットに敷きます。この用土ですが、小島さんの場合は桐生砂・蝦夷砂・日向軽石を等量配合して使っていますが、大事なことは少し細かな用土で苗木を植え付けるそうです。だからこそ、二日に一回の水やりも可能になるのだと思います。
小島氏は、何度もおっしゃいましたが、炭酸ガスを抜くのがコツで、これらの工夫をすれば、太陽にもしっかりあて、肥料もちゃんと施す、だから花も咲くということでした。とくに置き肥は、アルカリ性の肥料を使うそうです。
そしてさらに、そのようにして栽培して酸度が強くなってきたら、それを抜く方法として水洗いをすることも実際にしてみせてくれました。その水洗い、なるべくならぬるま湯がいいそうですが、とくに弱っているようなら3〜4回ぬるま湯を替えて、なんどもします。そのたび毎に、酸度が弱くなっていくのだそうです。また、水洗いをせずに酸度を弱める方法も太田胃散を使う方法の他にもいろいろとあるようですが、次の機会にお話しいただけることと思います。
それにしても、このような栽培法を独り占めせずに、このように公開されている小島さんに、エールを送りたいと思います。そして、このやり方を多くの人が自分でやってみて、さらに枯れない栽培法を見つけるようになれば、もっともっと多くの人たちがシャクナゲを栽培してみたいと思うに違いありません。また、このような提案をうけ、自らさらに改良された方法を編み出された花田氏の工夫も紹介され、やっぱりシャクナゲは栽培できることが基本だと痛切に感じました。ぜひ、皆様方もシャクナゲたちを枯らさないように工夫してみてください。
以下、写真で順序通り説明いたします。
(関谷良寛 2005.07.10)
小島氏の講演会 | 工夫したネットと鉢側面 | 断熱材を張った鉢 |
キバナシャクナゲの根をほぐす | とくに根の中心部分を丁寧に |
ほぐした根をぬるま湯で洗う |
ネットの上に粗めの用土を敷く | その上にキバナの根を広げる |
栽培用土を入れて植え込む |
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